草の根無償資金協力プロジェクト署名式
(雲南省永徳県大山郷飲用水整備計画)

 

 日本国政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力(以下「草の根無償資金協力」)プロジェクトとして104,372米ドル(約69万人民元相当)の支援を実施した「雲南省永徳県大山郷飲用水整備計画」の工事が完了し、2011年12月22日、現地においてプロジェクトの竣工式が実施されました。
 竣工式には、瀬野清水・在重慶日本国総領事、王伊春・雲南省メコン川区域経済合作協調小組弁公室副主任、王銀梅・雲南省臨滄市発展改革委員会副主任、陳麗君・雲南省臨滄市永徳県委員会常務委員/県委員会宣伝部長、李開萍・永徳県副県長及び現地プロジェクト関係者が出席したほか、多くの地元住民が参加して盛大に行われました。関係者の挨拶では、プロジェクトの紹介や日本政府への感謝の意が述べられるとともに、地域住民の代表から、これによって水汲みの苦労や不衛生な水への不安から解放され農業生産に専念できるようになったとの喜びが伝えられました。

 

竣工式の様子
総領事挨拶

 

「雲南省永徳県大山郷飲用水整備計画」とは

 日本国政府の草の根無償資金協力により、雲南省永徳県大山郷忙角村における飲用水供給設備の整備計画を支援したプロジェクトです。
 永徳県は雲南省西南、臨滄市西北部に位置する山間の地域です。当地住民の大半は農業に従事していますが、厳しい地理的条件もあり、同県の経済発展は立ち後れており、中国政府により「国家級貧困県」に指定されています。プロジェクトサイトである同県の大山郷忙角村は、このような厳しい自然環境と地元の資金難のため上水道が整備されていませんでした。2009年から2010年にかけて中国西南部を襲った100年に1度といわれる大干ばつ時には、住民は毎日1キロほど離れた小川などから水を汲むなどして生活・農業用水を確保していました。

 

農家の水がめ
忙角村の様子

 

 このような状況を改善するため、日本国政府は草の根無償資金協力によって、同地での飲用水整備計画を支援しました。このプロジェクトの完成により忙角村の155戸733名余りの住民及び付近の小学校に通う197名の教師・児童に対し安全な水の安定供給が可能となりました。村の人たちは毎日の水汲みから解放され、農業生産性が大幅に向上するものと期待されています。

 

   
支援した水道管
水道を使う女性

 

 草の根無償資金協力は日本国民の中国国民に対する友好の証です。雲南省においては1991年以来、今回のプロジェクトを含めて合計36件、約282万米ドル(約2,145万人民元相当)をこれまで支援してきました。当館は、今回の草の根無償資金協力を通じて日本と雲南省との友好協力関係が更に密接になり、日本国民と中国国民のさまざまな分野での交流が一層発展するよう願っています。
(了)